老朽化した古民家を、倉庫として利用されていたK様。ですが、その風格ある外観や建材の質感が気に入られ、住まいへと再生することを決意されました。また、近代的な建物ばかりになった駅前に寂しさも感じておられたようで「街の歴史を感じられるようなシンボルとして再生できないか」と住友不動産にご相談をいただきました。

まずは古民家を本来の姿に戻すため増築部を取り壊し、玄関はアルミサッシから木製扉に変更。屋根は町屋ならではの『石州一文字瓦葺』に張り替え、外壁も『ささらこ下見板張り』にしました。一部崩れていた袖壁卯建は補修して再生。間取りもLDKを主空間に配置し、庭園との繋がりを体感できる空間へ。また、天上部を吹抜けとし、堅牢な構造躯体を眺めつつも閉塞感のない空間を実現。品格を蘇らせ、見応えと住み応えのある家へと再生しました。仕事場の方々や、友人も数多く見学に来られるそうで「街のシンボルとして」というK様の想いと、古民家の新たな使命が息づき始めました。